ひろゆきこと西村博之が書いた新刊『1%の努力』が発売されました。
次々に書店に並ぶひろゆき本ですが、今回の新刊の『1%の努力』は群を抜いて面白かったというのが最初の感想です。本当にオススメです。
印象に残った内容をまとめてみました。
エッグスタンドいらなくない?
社会に出たり、SNSを見たりすると他人が良い大学に行っていたり、年収が高かったりと、自分との比較対象が多いということに気づきます。
ひろゆき曰く、比較対象がない方が人は幸せになるということで、エッグスタンドの話で例えています。
エッグスタンドとは、卵を置くだけのスタンドです。全く必要性を感じない人が多数だと思いますが、商品としてある以上、エッグスタンドを買う人もいるのです。
エッグスタンドを持ってなくても、持っている人と比較はしません。同様に色んなことを比較するのを辞めて、そんな時に『エッグスタンドいらなくない?』という考えを持つことが大事とのこと。
この比較対象を無くすことは本書の最初の章に書かれています。1%の努力の基本であり、重要な考え方です。
新刊本のデザイン好きだなぁー。
人は権利を守る生き物だ
『働かないおじさん』『自分の仕事を囲い込む人』ってよく職場で見かけますが、ひろゆきはこれらを弱者の理論であると提唱しています。
こういった人たちにも独自の論理があり、自分の権利を守るための行動を繰り返しているとのことです。
よって働かないおじさんに正面から諭しても、そもそもの論理が違っているので、なかなか変えることは出来ないというのがひろゆきの主張です。
『プライドを守るのが強者の論理、権利を守るのが弱者の論理』ということで、それぞれの論理は理解しておくと、より1%の努力に近づくことが出来そうです。
チャンスの前髪
チャンスは一瞬で目の前を通り抜けるので、日々の業務に追われているとチャンスを取り逃がしてしまうという話です。
幸運の女神に後ろ髪がついていないということで、ヒマは全力で作った方がよいし、ひろゆき自身、常に両手を開けた状態で生きているそうです。
受付嬢なのに1億円を手にする話など、良いポジションにいる(チャンスを掴むところにいる)ことがいかに大事なのか考えさせられました。
ツボに何を入れるか?
ひろゆきは学生から『今のうちに何をしておけばいいですか?』と聞かれると『このツボは満杯か?』という話をするとのこと。
もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしたならば、君達の人生は重要でない何かに満たされたものになるだろう。」
「そして大きな石、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果それ自体失うだろう。」
という話です。またひろゆき絶賛の書『サードドア』の中でウォーレンバフェットの話も紹介されていました。
一年で達成したいことを25個書く、その中で3ヶ月以内に達成したいことを5つ選ぶ
20個はやらないことリストにいれて忘れる
ひろゆきは優先順位を決めることが毎日を幸せに生きるコツで、彼にとってそれは『睡眠』だと言います。(遅刻よりも睡眠を優先w)
割とページ数多めです。
やられた時だけ、やり返す
囚人のジレンマに代表されるように、他人との駆け引きは難しいものですが、ひろゆきは性善説で考えると上手くいくと言います。
また相手が裏切ったら、その次は自分が裏切るという戦略が、世界中の賢い数学者が1番強かったと提唱してきるという話を例にあげてます。
基本的には性善説でいた方が人生お得とのこと。
いつも発信者が強い
この辺の心理を突けるひろゆき凄い。
意見を出すことのメリットは『実作業が自分に投げられることがない』ということだ。何も発言していない人は、心理的に『じゃあ、私がやります』と言って手をあげてくれる。こんなにおいしいことはない。
他とちょっと違う状態になる
人が人を選ぶ時の基準は『客観的な優秀さを持っている』ことで、皆がそう思っているから今後も資格残業や英会話教材はなくならないとのこと。
ただもう一点、人を選ぶ基準として一緒に仕事をしていて、楽しいことだといいます。
面白いとは質問した時に、当たり前の返しをするのでなく、ちょっと想定と違った返しが出来る人という意味です。難しい考えだけど、なんとなく理解していきたいです。
特殊なポジションに手をあげる
1番好きだった話です。
特殊なポジションはメリットが発生する可能性が高いという話です。
学生だと生徒会長、会社だと飲み会の幹事など特殊なポジションはメリットが発生することが多いとのことです。
ひろゆきは常に特殊なポジションに手をあげるようにしているとのことです。
夏休みの宿題で頑張る方向を決める
面白かったひろゆき流の自己分析の話です。
夏休みの宿題をどう終わらせるタイプかで、頑張る方向を決定するという話です。
①早めに終わらせる、コツコツ毎日やるタイプ
②自由工作や絵などに時間をかけて取り組むタイプ
③最終日が迫ってきて、慌ててなんとか間に合うタイプ
で①だと計画性を持つマネジメントに向いてるし、②は芸術系の仕事が向いてます。
ひろゆきは③のタイプでヤバいと言いながら、内心笑ってるらしいのですが、リスクマネジメントや対人の交渉に向いていることがわかります。
要は①のタイプが③の仕事をすると大変なので、いくら頑張ってもストレスがたまり続けます。やるやらないを決める基準を持つことが大事とのこと。
人間の行動を決める要因
スタンフォード大学のローレンス、レッシングによる人間の行動を決める要因の話が興味深いです。
例えばお酒をやめようとする人に4つのアプローチがあり、
道徳:お酒を飲むことへの罪悪感を植え付ける
法律:お酒を飲んではいけないルールを作り、罰を与える
市場:お酒の価格を上昇させて、変えないようにする
アーキテクチャー:移動手段を電車から自家用車に変える
アプローチを変えながら、試行錯誤を繰り返すことがヒマをなくす最強の方法だと言います。
論理的な反省が試行錯誤の醍醐味で、これを繰り返すことで楽しみが増えていくという話です。
最後には全て笑い話にできる
少し心に響くフレーズでした。
受験が上手くいかなくても、就職が決まらなくても、事業で失敗しても、家で友達と酒を飲みながら自虐を言えばゲラゲラ笑ってくれる。
それに代わる人生の楽しみがあるだろうか。
捨てるものを決める思考法
『それは修復可能か?』という基準で捨てるかどうかを決める思考法です。
修復が可能であれば後回しにしていいという基準のひろゆき。
例えば寝不足で頭の冴えない状態は、ほかの方法で修復ができない。寝ないとボーッとするのだから寝るしかないとのこと、それに対して禁煙ムードだけどタバコはやめないのは、タバコを吸って肺が真っ黒になっても、タバコを辞めて肺が10年で綺麗になるのを知っているからのこと。(修復可能)
その他
その他、9つのバイトが教えてくれたことや北区赤羽の生い立ちなど、ひろゆきの個人的な情報が満載でファンであってもなくてもかなり楽しめる一冊です。
ぜひ読んでみることをお勧めします。
【関連記事】